よくある質問

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不動産鑑定評価書について

不動産鑑定評価は、不動産屋さん(宅地建物取引業)が行っている不動産査定とどう違うのですか?

不動産査定は、不動産業者が仲介業務のサービスの一環として行なうもので、無料(報酬を伴う場合には不動産の鑑定評価に関する法律に抵触します。)が原則です。不動産業者の不動産査定は売買の参考にはなりますが、その価格の信頼性は必ずしも高いとはいえません。また、その内容について対外的に説得力があるものではありませんし、その内容について公的機関に対する通用力もありません。
一方、不動産鑑定評価は、国家資格者である不動産鑑定士が、国土交通省が定めた「不動産鑑定評価基準」に基づいて不動産の価格を判断し、これを表示するものです。不動産鑑定評価は法律の規定により不動産鑑定士のみが行えます。鑑定評価の報酬は比較的高い場合が多いですが、不動産鑑定士が相場からの相対的な価格だけではなく、不動産の持つ価値を多様な側面から考察し、最終的な不動産の適正な価格を判断するもので、不動産鑑定評価により作成される不動産鑑定評価書には、この判断の過程、根拠及び理由が関連資料とともに明記されており、そこに表示される価格は信頼性が高いものといえます。

「不動産鑑定評価書」はどのような時に役立つのですか?

不動産の売買時に適正な価格を知りたい、アパート・ビル等の家賃、借地権、地代、借地の契約更新料・名義書換料は幾らが妥当か、不動産を担保に融資を受ける時・融資をする時、相続財産の分配の為に不動産の総資産額を知りたい、共同ビル建設に当たり権利調整をしたい、減損会計導入に伴う資産評価等、様々な場面で活用できます。
不動産の適正な価格・賃料を把握するには、不動産鑑定士による不動産の鑑定評価が最も信頼性が高く、鑑定評価書は公的機関に通用力のある唯一のものです。

土地の所有権以外にどのようなものを評価しますか?

建物、区分所有建物及びその敷地(マンションの専有部分)、借地権、財団(工場財団・観光施設財団)も評価します。もちろん、価格の他に賃料も評価します。

鑑定評価書にはどのようなものがありますか?

不動産鑑定評価書は、「不動産鑑定評価基準」に定める鑑定評価の基本的事項(対象不動産・価格時点・価格または賃料の種類)及び鑑定評価額を表し、鑑定評価額を決定した理由を説明し、鑑定評価の主体となった者(つまり鑑定評価に携わった鑑定士等)の責任の所在を示すことが必要ですが、これら記載事項の一部を簡潔に示した簡易な書式でも作成は可能です(机上査定書・調査報告書など)。但し、このような簡易な書式は厳密な意味での不動産鑑定評価書とは認められておらず、原則として当事者間のみに通用する内部文書であって、利用目的によっては、そのような書式では通用しない場合があるので、詳細についてはご相談下さい。

鑑定評価を依頼すると1件当たりどの位費用が掛かりますか?

不動産と言いましても、戸建住宅、マンション、ゴルフ場等の物件の種類により作業量が異なりますので、一概に1件当たり幾らとは申し上げかねます。 もちろん、一度にご依頼いただく件数、物件の所在地等により割引は検討させていただきます。お気軽に物件の概要をご提示のうえ、ご相談下さい。

翌年度以降は時点修正で構わないでしょうか?

いわゆる時点修正や机上評価等の意見書は、基本的に内部資料でありますので、依頼目的によっては外部に通用しない場合があります。詳細は一度ご相談下さい。もちろん、時点修正での対応もさせていただいております。

鑑定評価を依頼したいのですが、何を準備すればいいのですか?

図書館等で縮尺が1:1500程度の住宅地図を取得した上で、対象不動産が所在する市区町村の管轄法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)・公図・地積測量図・建物図面も取得していただきます。登記簿謄本は原則1件600円、その他は1件450円必要です。面倒であれば、住宅地図だけご用意ください。他の資料は弊社が取得いたします。なお、賃貸借契約書・決算書などをご用意していただくケースもございます。また、ご依頼の際には、鑑定評価の依頼目的をお伝えください。

不動産鑑定業は不動産屋さん(宅地建物取引業)とは違うのですか?

不動産鑑定業とは不動産鑑定評価(土地もしくは建物又はこれらに関する所有権、所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること)を業として行うことをいいます。不動産の売買、交換、賃貸等を自ら(もしくは代理、媒介)業として行うことは不動産鑑定業の範囲には含まれておりません。なお不動産鑑定業と宅地建物取引業を兼業している所もありますが、当社は不動産鑑定業を専業としております。

骨董品の鑑定はできないのですか?

美術品・骨董品の鑑定は専門外となっております。「不動産の鑑定評価に関する法律」において、不動産の鑑定評価とは、「土地もしくは建物又はこれらに関する所有権、所有権以外の権利の経済価値を判定し、その結果を価額に表示すること(2条1項)」と定義しています。

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鑑定評価での疑問

周知の埋蔵文化財包蔵地に指定されているとどのような影響を受けるのですか?

包蔵地内において土木工事等を行う場合には、文化庁長官に届出した上で、その遺跡の範囲・性格などを把握するための試掘調査を行わなければなりません。試掘調査の結果、重要な遺跡と判定されれば、設計変更・土地利用上の制限・事業計画の遅滞等を余儀なくされ、土地の価格形成に重大な影響を与えかねません。最悪の場合、現状保存を命じられ事業計画が頓挫するケースも考えられます。まずは各市区町村教育委員会担当部署に相談するとともに、地元不動産業者への聴取も行うことが必要でしょう。

土地の評価で土壌汚染の可能性の有無を調査する場合、最低限どの程度まで調査すればよいのでしょうか?

汚染状況の調査費用や汚染除去費用は土地(規模・汚染状況)によって千差万別ですが、専門家に調査を依頼するのが一番です。しかし、最低限下記の調査を行えば土壌汚染の可能性を把握できると思います。 過去の住宅地図、航空写真等による利用状況の調査、法務局での調査(閉鎖登記簿等の閲覧による過去の土地利用の履歴調査)、役所での調査(土壌汚染対策法・水質汚濁防止法・下水道法・環境保全条例等による指定、届出、規制の有無の調査)、対象不動産の現地調査(異臭・変色等の有無、利用状況の確認、近隣住民からの聴取等)。

土壌汚染の懸念がある土地の評価について簡単に教えてください。

簡単に言えば、土壌汚染がない場合の土地価格から土壌汚染調査費用及び土壌汚染除去費用等を控除することにより求められます。但し、特に住宅地については心理的嫌悪感による減価(スティグマ)を考慮する必要がありますし、また、場合によっては土壌汚染調査費用・除去費用が土地価格を上回る場合があることに注意が必要です。

袋地による減価とはどのようなものがありますか?

袋地を、路地状部分を介してのみ道路に接面する土地と定義すると、その減価要因(住宅地を前提とする)としては・路地状部分を敷地として利用し難いこと・日照・通風などの悪化による住環境への影響・建築に関して制約が生じる(東京都安全条例等)、などが挙げられます。減価の程度は、周辺の土地利用状況、路地状部分の幅及び延長距離、有効宅地部分の形状などにより様々です。

高圧線下地(こうあつせんかぢ)に建造物を建築する場合に何か制限はあるのですか?また高圧線が存することによる減価はあるのですか?

高圧線下地では、建築物の建築が制限されます。制限内容は、使用電圧や送電線の高さ等により異なることとなります。また高圧線下地では、最有効使用を妨げる土地利用制限による物理的減価や嫌悪施設としての心理的な不快感、眺望阻害等の快適性阻害による減価、土地所有者と電力会社間で結ばれる地役権等の登記があることや他の減価要因が協働して生ずることとなる市場性・担保価値の減退等があります。

正常価格とはなんですか?

正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。
誤解を招きやすい言い方ではありますが、一般の方でも理解しやすいようにわかりやすく言い換えれば「売手、買手の双方が、いずれも得はしないが、同時にいずれも損をしないような価格」と理解してもらってもよいでしょう。また、実際の不動産の鑑定評価においても、多くの場合は正常価格を求めます。

限定価格とはなんですか?

限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいいます。
例えば、土地の借主(借地権者)が底地の併合を目的として底地を買い入れる時などに求める価格です。 この例で言えば、借地権者が底地を購入することによって借地権者は借地権の存する土地の完全所有権を取得し、土地を自由に利用することが可能となります。そこで、借地権者が底地を購入することで得られる経済的価値の増分は、第三者が底地を購入するケースよりも優ることがあると考えられます。この場合、借地権者は、第三者が提示する底地の取得価格よりも高い価格を提示して底地を取得することは経済合理的といえます。したがって、借地権者にとっての底地の市場価値を適正に表示する価格は、第三者にとっての底地の市場価値を適正に表示する価格(正常価格)よりも高く求められます。この場合における、借地権者にとっての底地の市場価値を適正に表示する価格を限定価格といい、正常価格よりも高く求められることになります。
ただし、限定価格が成立するのは、想定される買主(先の例で言えば、借地権者)が対象不動産(先の例で言えば、底地)を購入することによって発生する経済的価値の増分が、第三者が購入する場合に比べて大きい場合に限られます。借地権者が底地を買い入れる際に求められる価格が全て限定価格になるわけではありません。 不動産鑑定評価によって求めるべき価格が正常価格であるのか、それとも限定価格であるのかは、不動産鑑定評価にとって最も重要な事項の一つです。これを適切に判断するためにも、鑑定評価をご依頼いただく際には、鑑定評価の目的・依頼内容・これまでの経緯などについて、依頼者様に確認させていただくことにしております。

担保評価において市場性を十分に考慮した方が良いと思われる不動産にはどのようなものがありますか?

一概には言えませんが、三角地等の不整形地、高圧線下地、崖地・法地を多く含む土地などは、市場性が劣る場合が多いので、評価に当たっては市場性に十分な配慮が必要です。また、景気低迷等を原因として有効需要を欠くリゾート地に存する別荘、倒産したパチンコ店、衰退地域にある不採算の温泉旅館などについても同様です。

担保不動産について、安全性を考慮した価格を特定価格として評価してもらえないでしょうか?

特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする鑑定評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさないことにより正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することとなる場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。したがって、鑑定評価として求める価格等の範囲を明確にすることにより鑑定評価制度の信頼性を維持する必要があるため、「法令等による社会的要請がないもの」を特定価格として求めることはできません。

担保不動産について、債権保全という性格を十分考慮する観点から、鑑定評価額に「所要の修正」を行う必要が生じるのはどのような場合ですか?また、鑑定評価額ではどのように反映されるのでしょうか?

一般に、債務者が破綻又はそのおそれが高く、早期の債権回収が必要となる場合に「所要の修正」を行うことが好ましいと思われます。 この場合、早期売却市場の特性を踏まえ、対象不動産の特徴や市場性、収益性を十分に反映した処分可能見込額を算出します。具体的には、競売・任意売却など可能性が高いと思料される売却シナリオを想定し、それに要する期間や費用等を考慮して求めます。なお、賃貸用不動産であれば、保証金等の預り金を控除すること、区分所有建物であれば、管理費・修繕積立金等の未納金を控除することなどに留意する必要があります。

DCF法とは何ですか?

収益還元法の一手法、Discounted Cash Flow Analysisの略で、現実の投資行動を想定して一定の期間の収益をもとに価格分析を行う方法です。米国では一般的で、日本でも金融機関を中心に利用されている投資分析の物差しです。

同じマンション内で同じ間取りの部屋であっても、部屋ごとに販売価格が異なっているのをよく見かけますが、これはなぜですか? また、マンションの鑑定評価では、どのような考え方に基づいて価格が決まるのでしょうか?

マンションに限らず、居住用の建物に関しては居住の快適性・利便性等が重視され、これらが高い建物ほど人気・価格が高くなるのが通常です。同じマンション内でも階層が異なれば、

  1. 日照・採光:前面に建物があれば、低層階では十分な日照・採光が得られないケースがある
  2. 眺望・圧迫感:高い階層ほど眺望に優れ、開放感に優れる傾向がある
  3. 騒音・プライバシー:周囲の騒音・排気ガスの程度に差異が生じたり、低層階ではプライバシーの問題が生じたりする可能性がある
  4. 1階住戸の専用庭:1階住戸に専用庭がある場合、ファミリー層に好まれるケースがある

等の要因により、快適性が異なる(効用が異なる)ことが一般的です。また同様に、同一階層内においても、位置・間取り等により居住の快適性が異なる(効用が異なる)ことがあります。同じ間取りのマンションでも部屋ごとに販売価格が異なるのは、これらの効用差を販売価格に反映させて決定していることが、販売価格が異なる理由のひとつであるといえます。
この階層に基づく効用の違いを数値化したものを、不動産の鑑定評価では「階層別効用比」といい、また同様に、同一階層内における位置・間取り等に基づく効用の違いを数値化したものを「位置別効用比」といいます。マンションの鑑定評価においては、類似するマンションの分譲価格・家賃などをもとに、鑑定評価の対象となる部屋の適切な効用比を査定し、マンション一棟全体の価格にこれらの効用比を乗じることによりマンションの価格を求める手法があります。
また、マンションの価格を鑑定評価する際には、この効用比を考慮した価格だけではなく、マンションの市場価値を市場性・収益性の観点から求める手法もあり、実際の鑑定評価においては、これらの手法を適切に適用して求めた価格をもとに鑑定評価額を決定します。

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不動産にまつわる法律・規制

道路に接していないと家を建てられないのですか?

都市計画区域内において建物の建築を行うためには、建築基準法第42条第1項・2項に規定する道路に2m以上(各市町村の条例によりさらに条件が付加される場合もある)接することが必要です。上記に該当しない場合でも、例外的に43条但書により、一定の要件を満たし、建築審査会の同意を得た上、建築主事の許可を受けられれば建築は可能となります。
気をつけなければならないのは、一般に「道路」と思われているもの全てが「建築基準法上の道路」ではないことです。アスファルト舗装がなされていて、人や車が通行できる状態の「道路」でも、これが「建築基準法上の道路」でないときには、たとえ敷地に2m以上接していても、都市計画区域内においては建物を建築できません。「建築基準法上の道路」であるかどうかは、役所の建築確認を担当する部署(建築指導課など)に確認する必要があります。

2項道路とは何ですか?

建築基準法施行の際、既に建物が建ち並んでいた4m未満の道のうち、特定行政庁が指定した道のことで、建築基準法第42条第2項に規定されていることから「2項道路」と呼ばれます。原則、道路中心線から2m後退した線が道路境界線となるため、建物の新築・建替えの際は、建物や塀は道路中心線から2m以上セットバックしなければなりません。

位置指定道路とはどのような道路ですか?

建築基準法上の道路がない未開発地や規模が大きな敷地を分割して利用する場合等には、新たに道路を築造しなければ、建築物の敷地として利用できない場合があります。このような場合に、幅員4m以上の私道であること等一定の基準に適合するもので特定行政庁からその道路の位置指定を受けたものを位置指定道路(建築基準法第42条第1項第5号)といいます。

土地に対する公法上の規制にはどのようなものがありますか?

土地の所有権は、その土地について所有者が自由に使用収益を行うことが出来る権利ですが、必要な範囲での制限を受けます。私法上の制約としては借地権、地上権、地役権、永小作権、民法の相隣関係に関する規定などがありますが、公法上の法律には「土地基本法・道路法・土地収用法・河川法・都市計画法・土地区画整理法・自然公園法・森林法・農地法・国土利用計画法・建築基準法・宅地造成等規制法」などがあります。なお、これらの法令は、その時代の要請により、毎年のように改正が行われているので、その点について留意することが必要です。

都市計画道路上の土地ですが、建物は建てられないのでしょうか?

まず、役所の都市計画課等で、当該道路が計画決定のみなのか既に事業認可が下りているのかを確認して下さい。 計画決定のみで事業認可が下りていないのならば、戸建住宅程度の建物は建てられる可能性が高いと思われます。既に事業認可が下りているならば、建物の建築は原則禁止です。

建ぺい率(けんぺいりつ)・容積率とは何ですか?

まず、建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合をいい、防火上・衛生上等の観点から、建築物の建築面積を制限し一定の空間を設けることを目的としています。一方容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいい、建築物の高さを制限し良好な市街地環境を確保することを目的としています。建ぺい率・容積率の限度の原則(建築基準法52条1項・53条1項)は、建築基準法において用途地域により定められますが、実際に使われる数値の限度は、各市町村において都市計画等で定めることとなります。

指定容積率と基準容積率が違うので、指定容積率を全て使うことができないと言われましたが、指定容積率と基準容積率はどのように違うのですか?

容積率は、都市計画で用途地域毎に150%や500%など、様々な範囲で定められていて、この容積率のことを通常「指定容積率」といいます。指定容積率を上回る延べ床面積の建物は原則として建ててはなりませんが、指定容積率に基づく延べ床面積なら常に大丈夫ということではなく、接面する前面道路の幅員が12m未満の場合、さらに指定容積率以下に制限を受けることになります。多くの場合、住居系の用途地域では「道路幅×4/10」の数値、その他の用途地域(商業系・工業系)では「道路幅×6/10」の数値をまず求め、これに基づく率と指定容積率とを比較して、原則として低い方が適用されます。この容積率のことを「基準容積率」といいます。実際に建物を建てるにあたって適用されるのは、通常は基準容積率になります。

市街化調整区域内に存する土地はどのような規制を受けるのですか?

市街化調整区域は都市計画法(以下法とする)により市街化を抑制すべきものとして指定されている区域であり、原則的に開発行為はできませんが、技術基準(法第33条)及び立地基準(法第34条)に適合するものとして許可を受けた場合等であれば建築可能です。また、この例外的制度であった既存宅地制度(許可無く建築等可能)は、平成13年5月18日をもって廃止されました。

法定地上権とは何ですか?また、法定地上権の成立要件にはどのような要件がありますか?

法定地上権とは民法388条、民事執行法81条に規定されており、競売が行なわれた場合、法律によって設定されたとみなされる地上権をいいます。また成立要件は、以下の全てを満たす必要があります。

  • 抵当権設定当時、建物が存在していること
  • 抵当権設定当時土地と建物の所有者が同一人であること
  • 抵当権が実行され競売の結果、土地と建物の所有者が別人の所有に属すること

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不動産にまつわる豆知識

不動産の価格に影響する要因としてはどのようなものが考えられますか?

評価対象の不動産の内容により多様なものが考えられます。具体的な例を挙げると、住宅地の場合、日照・通風、交通施設との距離等の居住の快適性・利便性等に影響する要因が考えられます。商業地の場合、接面街路の幅員・構造等の状態、商業地域の中心への接近性等の主に繁華性・収益性に影響する要因が考えられます。
ところで「日照の良否」という同じ要因が存する場合でも、住宅地にとっては居住の快適性が増すため増価要因となる一方、商業地にとっては、特に生鮮食品を扱う店舗が存する場合等には反対に商品の劣化を早める要因となり、減価要因となる場合があります。
このように、同じ要因でも評価対象の不動産の内容により価格への影響が異なる場合があります。評価対象の不動産の内容を的確に踏まえた上で、これらの要因の不動産価格への影響を判断することは、不動産の鑑定評価において重要な作業のひとつと言えます。

坪とは何ですか?

坪とは、日本の家屋で使われる尺貫法による単位のことを言います。
   1坪≒3.3㎡  1㎡≒0.3025坪
実際の不動産売買・賃貸借では、現在でも面積の数量単位として坪が用いられることも多いですが、不動産鑑定評価書では面積を㎡で記載します。
(例)150,000円/㎡は坪当り何円か。
   ①150,000円/㎡÷0.3025≒495,868円
   ②150,000円/㎡×3.3057≒495,855円
   どちらでも正解といえますが、不動産売買・賃貸借では、①の式を使われる人が多いようです。

簡単に土地の価格を調べる方法はないですか?

地価公示価格(基準地価格)相続税路線価(公示価格の8割水準)固定資産税評価額(公示価格の7割水準)、から調べてみて下さい。 但し、地方都市の工業団地のように市況の悪い地域では、実勢価格(時価)が固定資産税評価額より下回る場合もありますし、逆に都心の繁華性の高い商業地や高級住宅地では、公示価格の30%増以上の高値で取引される場合もあります。 一応の目安として参考にして下さい。

公示価格とは何ですか?

公示価格とは、国土交通省に設置された土地鑑定委員会が、地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づき、全国に定めた地点(標準地)を対象に毎年1月1日時点の価格を公示するものです。新聞等で大きく取り上げられますので、ご覧になられた方も多いかと思います。また国土交通省「土地総合情報ライブラリー」では、公示価格を「それぞれの特殊な事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1平方メートル当たりの価格」と表現しています。したがって土地の取引価格は、原則として当事者間で自由に決定されますが、公示価格はそういった取引価格に対する1つの重要な指標になるともいえます。地価公示を行う区域を公示区域といい、公示区域は都市計画区域を中心として比較的限定的に指定されています。詳しい内容については、インターネット上で公開の国土交通省「土地総合情報ライブラリー」をご覧ください。

公示価格は どうやって決めるのですか?

1地点について不動産の鑑定評価の専門家である2人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して鑑定評価を行います。さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、前述の鑑定評価を基に国土交通省の土地鑑定委員会が公示価格を決定しています。

賃貸中の建物が売買された場合には、敷金返還義務は誰が負うのですか?

賃貸借継続中に建物の所有権が譲渡された場合には敷金関係も当然に新家主に承継されます。よって、新家主は借家人に敷金を返還する義務を負います。また賃貸借終了後明け渡し前に建物所有権が譲渡された場合には、借家人の承諾を得ることなしに、敷金に関する権利義務を新家主に承継させることはできません。 なお平成15年の法改正により短期賃貸借制度が廃止され、これにより抵当権者の同意の登記が無い抵当権設定後の賃借人は、建物賃貸借継続中に抵当権が実行された場合には、明け渡さなければならなくなりました(原則として6ヶ月間明け渡しは猶予されます)。この場合、買受人は敷金返還義務を引き継がないため、買受人に敷金の返還請求をすることができません。よって、敷金の返還は元の賃貸人に請求することになります。一方、抵当権者の同意の登記がある賃貸借は、買受人に引き継がれ、敷金が登記されていれば敷金の返還義務も登記されている範囲内で承継されます。この改正法は、平成16年4月1日以後の契約に適用されます。

いわゆる青空駐車場を借りている場合も「借地権」と認められるのでしょうか?

借地権とは、借地借家法(廃止前の借地法を含む)に基づく借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)をいいます。したがって、無償で他人の土地を利用する場合(使用借権)や賃料の支払いがあっても、建物の所有を目的としない場合には、「借地権」と認められません。

借地権を譲渡する場合の承諾料はどの位必要ですか?

借地人(賃借人)が借地権を譲渡する場合には賃貸人の承諾を得る必要があります(民法612条1項)。その際には借地人から賃貸人(地主)へ承諾料が支払われるケースが一般的です。この場合の承諾料としては、個々のケースにより異なることは当然ですが、大体のところ借地権価格の10%前後という場合が多いようです。

借地契約の更新に当たり、更新料を要求されたときは要求どおり支払わなければならないのですか?

更新料を支払う旨の特約がない場合には、借地人には更新料支払い義務はないというのが学説です(当事者間で更新料を支払う旨の合意をした場合には公序良俗に反しない限り支払義務が生じる。)。しかし、実務上は正当事由の補助手段として一般的に更新料が支払われていることが多いようです。借地契約の更新料は個々のケースにより異なるため一概にはいえませんが、実務上では一般的に更地価格の5%~10%程度のようです。

定期借家契約とはどのような契約ですか?

従来からある借家契約では、正当の事由がない限り家主からの更新拒絶はできないこととなっていましたが、定期借家契約では、契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に借家契約が終了します。

定期借家契約を結んでその期間が満了すれば、必ずその借家を出て行かなければならないのですか?

定期借家契約は、契約で定めた期間が満了すれば、確定的に契約は終了しますが、賃貸人及び賃借人双方が合意すれば、改めて再契約をし、引き続きその借家への居住を続けることができます。

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